スパイスの4つの基本効果

賦香(ふこう)効果 高分子構造の絵
矯臭(きょうしゅう)効果
辛味効果
着色効果
まとめ

 スパイスには色々なパワー(作用)があるのをご存じですか?各々のスパイスを見てみると、作用が唯一しかない単細胞野郎もいれば、いくつもの役をこなすエリート君(とはいうものの世の中それだけで評価が決まるものではありませんね)もあることに気づきます。まるで人間と同じ?またスパイスは、その効果を踏まえた上で生まれる使い方の豊富さ、そして慣れ・不慣れに左右され易いとはいいながら、気に入っちまえばこっちのモンみたいな嗜好性の強さ(私共スパイス屋にとって実はイッヒッヒだったりもします)を持っています。スパイスには様々な種類があり、又地域性も強いため(ある種の植物であり、個性が売りですから)、世界各地にまだ我々の知らない香りを放つスパイスがまだまだあることでしょう。

 とまあ何だかんだ申し上げましたが、早い話が皆様にスパイスへの興味を持って頂き、どしどしトライして頂いて、上にも書いてある通りの’嗜好性’にあやかってどっぷりスパイスのワンダーランドにはまって頂く、という実に安直極まりない目論見!とおっしゃられちゃーそれまでですが、そんなこんなのどさくさまぎれ、人生疲れた時にはもちろん、あっけに取られたその顔の、あいた口にもスパイスをってなわけで、ありがたくもない?スパイスの話始まり始まり〜!

 そーゆー訳で本日は、スパイスに秘められたパワー(作用)について、お話したいと思います。


【賦香効果】
 スパイスの持つ作用には、幾つかの種類があります。まず一番最初に、皆様も良くご存じの、いわゆる一つのメジャーなものとして’香り付け’としての役割があります。スパイスの持つ芳香成分(香り)を料理用・室内外の芳香剤・化粧品・入浴剤等に利用することです。ちなみにこの’香り付け’をスパイスの賦香(フコウ)作用といいます。この作用はほとんどのスパイスが持っております。

【矯臭効果】
 2つ目にあげられるのは、スパイスで何かの臭みを消したり、香りを矯正したりする目的で使う使用法です。獣肉の臭いからお部屋の臭いまで、種々のスパイス・ハーブ類が活躍しており、ガーリック・ベイリーブ(月桂樹の葉)・ローズマリー等が代表として挙げられます。これらの効果を、スパイスの矯臭・脱臭作用といいます。正直申し上げて、先程の賦香作用との線引きが、突っ込んでいくとかなり曖昧で判りにくいかと思いますが、こちらの方はスパイスの香りを付けるというより、あくまで嫌な香りの矯正・中和・消臭を目的としているということでご理解の方願います。

【辛味効果】
 さらに3つ目には、近年また注目されている’辛味付け’目的の使用法です。からし・わさびに代表されるシャープ系の辛味から、唐辛子に代表されるHOT系の辛味まで、各スパイス達が世界各地で人々に愛されています。この手のスパイスの特徴で、使えば使うほど、食べれば食べる程病みつきになってしまう処があり、料理の中であくまでワキ役のスパイスが、もしも無ければその料理を食べる気も失せる程の存在感を発揮する、強烈なキャラの持ち主達です。その胃に直接訴えかける刺激的な魅力は、好きな方には’もう止められないーっ的’雄叫びものです。

【着色効果】
 スパイスの使い方としては他とは異質っぽいものとして、着色を目的とする使用法があります。ターメリック(ウコン)・サフラン・パプリカ等、その発色性により見た目に効果を発揮し、料理の美しさ・楽しさを視覚的・色覚的に演出するスパイス達です。皆様は黄色くないカレー、黄色くないパエリア・ブイヤベースが考えられるでしょうか?又スパイシーな料理の色調と辛味のバランスを取るため、パプリカも欠かせぬスパイスとして使われております。

【まとめ】
 上記に挙げた4つの効果がスパイスの基本的な作用・効果として一般的なものですが、これら以外にもスパイスは昔から薬としての扱いを受けていたものが数多く含まれていました。現在でも漢方の世界では東洋産の多くのスパイス達が薬として活躍しております。その他にも、食品の物理特性を変えたり(テクスチャーの改良など)、品質を保持(酸化防止など)したりと、様々な使い方が現在も研究され、開発されています。

 古(いにしえ)の頃より利用されてきたスパイス達は、その香り、その辛味、またはその効能により多くの人々に愛されてきました。近代以前では、輸送手段も原始的で様々な苦労があったでしょうし、現代に比べ調味料の種類も少なかったせいもあってか、’権力や財力の象徴’になる程、それはそれは大変貴重なものとして扱われていたようです。

 いざ今日、様々な物があふれ、多種多様な’食べもの’が作られるような世の中と相成りましたが、どうでしょう?スパイスの使い方一つでまだまだ面白い物が出来るんじゃないかと考えているのは、決して私共だけではないはずです。ともーしますか、’スパイス・その他食品’このパズルの組み合わせは間違いなく無限でしょう。今まで我々ヒトが考え出した数々の組み合わせは、まだまだほんの一例に過ぎないかもしれません。

 ファッション・音楽と同じ様に’食の文化’も、その時代の流行や世相を反映し、人々に最も喜びを与えられるものの一つとしてあり続け、変化し続けています。私達は、その重要な舵取り役としてあり続けるスパイスの存在を誇りとし、伝統的なものと新しいもの双方を常に見据えながら、’これからの味’そして’笑顔を生む味’を創っていくことを誓います。